2008年度版
前期(「日本語教育学原論 a」)は動詞句や名詞句による表現をめぐる諸問題を言語学的、言語教育学的に考察する。具体的には
1)日本語の時称、アスペクト/動作様態、モダリティ
2)否定などにまつわる諸問題
3)Thema-Rhema 構造(主題化)をめぐる諸問題
4)事象の成立と命題の存在
などの中からいくつかの問題点をを選び、それをヨーロッパの言語(英語、ドイツ語、フランス語、オランダ語、ロシア語など)やアジアの言語(朝鮮・韓国 語、中国語、アイヌ語など)と比較して考察を加えながら日本語の誤用分析を行い、言語干渉にまつわる問題を理論的に整理する方法をさぐる。
参加者が必ずしも多くの言語を知っている必要はないが(最低日本語とその他の1ヶ国語ができることが必要)、参加者の母語や学習した言語が多様であればそれだけ対照の範囲が広がり、面白いものとなろう。前期は理論的な内容を扱うので頭を使う。
後期(「日本語教育学原論 b」)はTAの協力のもとで TPR や CLL など、発想を変えた教授法の実習をする。参加者にとって未知の言語(2008年度はトルコ語の予定)を到達言語として選んで体験学習をし、半年でどれくら い覚えられるかの実験をする。ただし、この場合の「どれくらい覚えられるか」というのは、「予習や復習をして、さんざん苦労してどれだけ覚えられるか」と いうことではなく、「何も苦労しないで、放っておいてどれくらい学習効果をあげられるか」という意味である。後期は行動的な授業なので体力を使う(下のス ナップ写真参照)。
●演習・実習形式の授業なので、毎回出席できることが参加の条件となる。
●前期(「日本語教育学原論 a」)のみの受講も可。
●ただし、後期(「日本語教育学原論 b」)のみの受講は不可(後期課程の学生で、「日本語教育学原論 b」の受講を希望する人は4月の段階で届け出てください)。
●参考文献は必要に応じて授業中に指示する。主としてプリントを使用する。
●発想の転換を歓迎する。自由な発想で活発に意見を述べていただきたい。発言の内容と成績は相関しない。無気力な受講者にはいい成績は与えない。
●教室は国言棟1階、A会議室(後期はスタジオも使用する)。
授業風景(写真): TPR と CLL(写真は順不同です)
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